竹伸精密株式会社(ちくしんせいみつ)・精密プレス金型の設計・製作・販売

京都府八幡市

技術の現場から

精密プレス金型と医療分野への必要性

2025.12.15

医療現場を支える見えない技術

皆さんは病院で治療を受けるとき、使われている医療機器がどのように作られているか考えたことはありますか?注射針、手術用のメス、内視鏡の部品、人工関節、心臓ペースメーカーのケース。これらの多くに、実は精密プレス金型の技術が使われています。

医療分野では他のどの産業よりも高い精度と品質が求められます。なぜならそれは、直接、人の命や健康に関わるからです。今日は精密プレス金型が医療分野でなぜこれほど重要なのか、そしてどのように活用されているのかについて詳しくお話ししたいと思います。

医療分野が求める「精密さ」のレベル

医療機器に求められる精密さはまさに桁違いです。一般的な工業製品では数十ミクロンから数百ミクロンの精度で十分なことが多いのですが医療分野ではさらに厳しい基準が設けられています。

たとえば注射針の先端部分。
これは数ミクロン単位の精度で成形されています。針の形状がわずかでもずれると、患者さんに不必要な痛みを与えたり組織を傷つけたりする可能性があります。またカテーテルに使われる金属部品も同様で、血管の中を通るため寸法精度だけでなく表面の滑らかさも極めて重要になります。

人工関節の部品も精密プレス加工が使われる代表例です。
股関節や膝関節の人工関節は骨と完璧にフィットしなければなりません。わずか数十ミクロンのずれでも、患者さんの歩行に影響が出たり関節の寿命が短くなったりします。これらの部品を安定して量産するために精密プレス金型の技術が不可欠なんです。

医療用金属材料と加工の難しさ

医療分野で使われる金属材料には特別な要求があります。最も一般的なのはステンレス鋼(特にSUS316Lなど)、チタン合金、そしてコバルトクロム合金です。これらの材料は体内に入れても錆びにくくアレルギー反応を起こしにくいという特徴があります。

しかしこれらの材料は加工が非常に難しいのです。特にチタン合金は強度が高く、加工時に硬化しやすいため、金型の摩耗が激しくなります。そのため、医療用精密プレス金型には通常よりもさらに硬い材料が使われたり特殊なコーティングが施されたりします。

また医療機器は滅菌処理を繰り返し受けるため、高温や薬品に対する耐性も必要です。プレス加工で作られた部品がこうした過酷な環境でも変形したり劣化したりしないよう、材料選定から金型設計まで、すべての工程で細心の注意が払われているんです。

清潔性と品質管理の徹底

医療分野では製品の精度だけでなく清潔性も極めて重要です。プレス加工の現場では通常、加工油を使用しますが、医療用部品の場合はその油が残留しないよう徹底的な洗浄が必要になります。加工環境もクリーンルームで管理されることが多くほこりや異物の混入を防いでいます。

品質管理も一般的な製造業とは比較にならないほど厳格です。すべての製品がトレーサビリティ、つまり「いつ、どの金型で、どのロットの材料を使って作られたか」を追跡できるようになっています。万が一製品に問題が発生した場合、すぐに原因を特定し、該当するロットを回収できる体制が整えられているんです。

医療機器には各国の規制があります。日本では薬機法(医薬品医療機器等法)、アメリカではFDA(米国食品医薬品局)の承認が必要です。精密プレス金型で作られた部品もこれらの厳しい基準をクリアしなければなりません。

医療分野での具体的な応用例

精密プレス金型は、医療分野の様々な場面で活躍しています。

注射針・採血針: 数ミクロン単位の精度で先端が成形され、患者さんの痛みを最小限に抑えます。

内視鏡部品: カメラや鉗子を操作する細かな金属部品が、精密プレス加工で作られています。

手術器具: メスやハサミ、鉗子などの刃部分は、鋭い切れ味と耐久性を両立させるため、高精度なプレス加工と熱処理が組み合わされています。

人工関節: 股関節、膝関節、肩関節などの構成部品の多くがプレス加工で製造されています。

心臓ペースメーカー: 体内に埋め込まれるケースや電極部分には、薄く軽い金属部品が使われ、これも精密プレス技術で作られています。

歯科用器具: 小さく複雑な形状の器具が、効率的に量産できます。

今後の展開と期待

医療技術の進歩とともに精密プレス金型への要求もさらに高まっています。たとえば、低侵襲手術(体に小さな穴を開けるだけで行う手術)が普及するにつれ、より小型で精密な器具が求められています。また、高齢化社会の進展により、人工関節などの需要も増加しています。

最近では3Dプリンティングなどの新しい技術も登場していますが、大量生産においてはプレス加工の方がコストパフォーマンスに優れています。ゆえに精密プレス金型の技術は今後も医療分野で中心的な役割を果たし続けるでしょう。

さらにデジタル技術との融合も進んでいます。CAE解析により、より複雑な形状の部品設計が可能になり品質管理もAIを活用した自動検査システムが導入されつつあります。

これからの医療を支える技術

精密プレス金型は私たちの健康と命を守る医療機器を支える、縁の下の力持ちなのです。ミクロン単位の精度、厳格な品質管理、特殊材料への対応。これらすべてが組み合わさって安全で信頼性の高い医療機器が生まれています。

次に病院で治療を受けるとき、使われている器具の裏側にこうした高度な技術があることを思い出していただければ嬉しいです。日本の精密加工技術は世界トップクラスでこれからも医療の発展を支え続けていくことでしょう。

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